アエラス フォーラム 関西から新しい「風」─斬新な思想、創造的な発想
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第9回 アエラスフォーラムII
「ジェンダーから問う21世紀の日本」

コーディネーター
佐伯順子

基調講演 I
伊藤公雄
基調講演 II
牟田和恵

 
コーディネーターより
 女性と男性の関係性は社会のゆくえを左右する重要な問題であるにもかかわらず、残念ながら、社会的、学問的問題意識の傍流に押しやられてきた観があります。特に日本の高度成長期には、男性が稼ぎ女性が家庭を守る、という性別役割分業を基盤に一定の経済発展がなし遂げられたため、男性=仕事、女性=家事、育児という固定的な性別役割分業を相対化する姿勢がないまま、今日に至っている日本人も多々あります。ジェンダー、すなわち社会的、文化的性についての議論を、“家族の絆が壊れる”などという的外れな観点から批判する人々も、そうしたオヤジ世代の残党といえるでしょう。

 しかし、右肩上がりの経済成長もかげり、高齢化、少子化が問題となっている今日、従来型の“家族”や“夫婦”が機能しなくなっていることはもはや明らかです。ジェンダー問題の解決は、何も女性のためだけのものではありません。近年際立つ日本人の自殺の増加、その多くが中高年の男性であることは、男性にかかる社会的負荷の大きさが、男性の人生にもひずみをもたらしていることを語っています。女性、男性のどちらかに、bread winner、あるいは家事、育児の役割を一方的に期待することは、終身雇用や年功序列賃金の衰退からもリスクの大きい選択です。しかし、先進国の中でも依然大きい男女の賃金格差は、女性の勤労意欲を失わせ、“稼ぐ男にすがる”という保守的選択をする若い女性も後を絶ちません。(一部女性ファッション雑誌定番の、エリート男をいかにつかまえるか、という特集など目を覆うばかりです。)長時間労働、遠距離通勤は、女性にも男性にも、仕事と家庭の両立を困難にし、女性が結婚、出産を機に仕事を辞めるいわゆる“М字カーブ”は、底上げされたとはいえ日本にはまだ残っています。しかし、このままで日本の幸福な未来があるはずはないのです。ジェンダー論の先端を走る講師の先生方より、現状と課題をご教示いただき、より良い日本の未来のために(キザですが…)議論を深めたいと思います。

佐伯順子 (同志社大学大学院社会学研究科教授)
■第9回 アエラスフォーラムII 開催概要
■アエラスブックレットNo.9 (PDF:約790K)
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